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20244/15

JCBが「京セラドーム大阪」にNFCタグ非接触決済サービス本格導入、今後の可能性は?

2024年4月14日9:15

ジェーシービー (JCB)は、2024年3月29日から、オリックス・バファローズ本拠地「京セラドーム大阪」(大阪府大阪市)でNFCタグを活用した非接触決済サービスを本格導入した。同サービスでは、「観客席販売スタッフ」や「飲食ワゴン」において、利用者自身のスマートフォンから非接触でのクレジット決済が可能だ。京セラドームでのNFCタグ活用の決済の導入の経緯、これまでのJCBの取り組み状況やサービスの可能性、今後の展開について説明してもらった。

京セラドームでは3月29日のオリックス開幕戦より、スピーディーな完全非接触決済を実現へ(JCB)

池谷貴

現金より13秒早く決済完了
トライアルを経て本格導入

京セラドームで採用されたNFCタグによる非接触決済の仕組みは、観客席販売スタッフが首から下げているNFCタグ、または飲食ワゴンのレジ付近に設置されたNFCタグに、利用者自身のスマートフォンをかざすことでWEBブラウザの決済画面へ遷移し、「Apple Pay」 または「Google Pay」などで支払いできるものだ。従来のように決済端末を持ち運ぶ必要はなく、「軽量かつ小型で電源不要のため柔軟に設置場所をレイアウトでき、簡易に導入や運用構築が可能」だとしている。JCBでは、28秒の現金に比べ、15秒で支払いが済み、13秒速く決済が完了するとしている。

決済画面遷移イメージ(Apple Payの場合)

JCBでは、「2023年度11月に京セラドーム大阪にて実施された、社会人野球日本選手権にてトライアル導入としてNFCタグ決済サービスを導入しました。トライアル導入での反省を踏まえて、サービスの機能改修を行い2024年3月29日のプロ野球開幕戦より本格的に導入されています」と説明する。

京セラドームでは、従来からメルペイなどのQRコード決済を導入していたが、決済ラインナップの追加の要望により、ApplePayとGooglePayに登録されているクレジットカードでの決済にNFCタグを導入したという。

なお、NFCタグサービスとしては、QRコード決済との併用も可能であり、加盟店の要望に応じて一括での提供もできるという。

かざすだけのNFCタグの取り組み強化
渋谷区「ハチペイ」で3,600店舗稼働

NFCタグは、設備投資が少なく、利用者はかざすだけで支払えるメリットがある。QRコード決済はカメラを起動して焦点を合わせて読み取るが、“かざす”だけで支払えるメリットがある。JCBではNFCタグの取り組みを強化してきたが、飲食店やキッチンカーといった顧客が利用しているそうだ。

例えば、渋谷区のデジタル地域通貨事業「ハチペイ」では決済インターフェースの1つとして採用されており、3,600店舗(4月4日現在)を超えるハチペイ加盟店で利用されている(独自QRコード決済との併用)。また、2023年12月15日~25日に開催された「ひろしまクリスマスマーケット」にも導入しており、催事会場での利用実績もあるそうだ。

加盟店の負担は決済手数料のみ
テーブルオーダーやゲームセンターでの導入目指す

NFCタグを活用した決済の可能性については、「経済合理性がなく端末導入できない現金領域へのキャッシュレス化に活用が可能と考えております。通常の決済端末は一台当たり十数万円ですが、NFCタグにおいては導入費用が不要で加盟店の負担は決済手数料のみです。そのため多数の台数ニーズを抱える領域へのキャッシュレス導入の武器として期待しています。また、筐体制御も可能でNFCタグからの支払いで自動機を動かすことができます。ゲームセンターのゲーム機といった硬貨でしか動かすことができなかった、無人自動機領域への推進も期待されています」と説明する。

NFCタグは小型で電源不要のため、柔軟に設置場所をレイアウトできるメリットがある。混雑の分散が求められるスタジアムや期間限定イベント会場のような催事場、高価な端末の設置が難しい小規模店舗などのキャッシュレス決済未導入店への導入が期待される。

また、ユーザー画面にて決済金額を入力してもらう金額入力型のほか、加盟店でメニュー設定を行い、メニュー選択画面から注文する、メニュー選択型を用意している。テーブルにNFCタグを設置いただき、NFCタグから注文してもらうことでテーブルオーダーとテーブル決済を同時に実現可能だ。加えて、上記の通り、筐体制御の仕組みを使って無人自動機のキャッシュレス化に活用するシーンなどに採用を働きかけるという。

なお、NFCタグサービスの運営主体はジェーシービーとなる。また、サービスのユーザーインターフェースとなるWEBアプリケーションの基盤構築と保守運用でデジタルガレージの協力を得ている。さらに、オンライン決済の機能をDGフィナンシャルテクノロジー(VeriTrans4G)が提供しているそうだ。

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