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20227/5
Noveraが画像認識AIで特許取得、薬王堂はアプリでの肌診断に加えて店舗での活用視野に
2022年7月6日8:30
Noveraは、2022年6月23日、「画像認識AI」の特許についてのオンライン説明会を開催した。当日は、2021年3月よりNoveraと協働で検証を行っている薬王堂の取り組みも紹介された。
Novera 代表取締役CEO 遠藤 国忠氏
200名以上のプロの知見を学習した独自のAI肌診断
薬王堂公式アプリで肌診断機能を提供
Noveraは、肌の相性の良い化粧品を2万点以上のさまざまな化粧品から提案するAI肌診断アプリ「viewty」を運用している。現役美容部員200名以上のプロの知見を学習した、独自のAI肌診断を運用しているという。もう1つは、viewtyのAI肌診断の技術を法人向けに「skinsense」として提供している。skinsenseでは、数千人、数万人の化粧品購入を見た業務員200名のノウハウをもとに、一人一人に最適な「おすすめアイテム」を提供している。さらに肌スコアの統計データ、肌診断の実行数、ユーザー属性分析、CTRなどのレポートを提供している。これらのデータやレポートもパーソナルデータに紐づいて分析している。
2021年5月からは、東北6県に362店舗のドラッグストアを展開する薬王堂と連携。薬王堂では、AIレコメンド機能を活用し、利用者の肌状態に近い人が頻繁に購入している商品などの情報を提供している。ポイントとプリペイド機能を持った「カードレスWA!CA」などの機能が利用できる薬王堂公式アプリでは、基礎化粧品AIレコメンド機能を提供している。AI肌診断では、化粧品販売員や研究者、メイクアップアーティストなど200名以上の美容のプロが肌を目視した際の印象データを学習させており、スマートフォンで顔を撮影すると肌診断が可能だ。薬王堂では、AIにより肌の状態(ハリ、キメ、UVダメージ、透明感、潤い、毛穴、肌質、肌年齢)を8項目で診断・評価している。薬王堂 取締役常務執行役員 営業本部長 西郷孝一氏によると、Noveraと検証を重ねることで、AIの精度が徐々に高まっているそうだ。
薬王堂 取締役常務執行役員 営業本部長 西郷孝一氏
肌データの偏りを抑制
人材不足や技術継承の課題解決へ
Noveraの画像認識AIでは、納得感の高いAI肌診断を実現するために必要だった追加の工夫から特許を取得した。美容販売部員の意見を参考に、AIの精度を高めている。通常のAIの場合、精度を上げるほど極端に収束する部分があり、「統計を取ると敏感肌と乾燥肌が90%を占めています」とNovera 代表取締役CEO 遠藤 国忠氏は話す。分類ができるAIを開発し、それをベースに美容部員に追加で知見を学習させることによって、肌データの偏りを抑制し、納得感のある精度を実現できるとした。従来、6,000枚必要だったものが300枚で同様の精度を実現。AIに関する高度な人材を必要とせずにコストと時間をセーブできる手法だとしている。
AIのブレイクスルー特許「CNN層追加学習法」
今後、人口減少による人材不足の解決し、AIを教材に活用することもできる。また。地方などの継承問題がもたらすノウハウの消失の解決に貢献し、地域間によるサービス格差を防止可能だ。さらに、長年のノウハウを使ったビジネスチャンスを創出し、AIサービス化で海外顧客へのアプローチにつなげることができる。すでに同技術は韓国、中国、フィリピンなどから問い合わせがあるそうだ。
モデル作成のハードルを下げる可能性も
薬王堂は画像解析で効率的な商品提供に生かす
具体的な特許の内容については、取締役CTO 諸冨 大樹氏が紹介した。同特許技術は、AIの精度向上の鍵を握る教師データのモデル作成にあたり、モデルをゼロから作成するのではなく、学習済みモデルのパラメータを活用することで、 AI学習コストを抑えながら効率よく精度アップを図ることができるという。同社では、広義な概念を学習させた後に、専門的なことを学習させた方が同様な効果を得られると仮説を立てた。肌の明るさを学習させたモデルに対して、再度肌性を学習させることにより、結果として偏りの抑制を観測したとした。諸冨氏は「200クラスの画像を学習させて制度99.9%に上げたものを、レベルの高い次元で観測できました」と述べる。
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