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VEGA History

今となっては日本でよく見かける様になったVEGA3000ですが、輸入を始めた当初からこんにちまでの歴史をご紹介します。
(多分、日本のディストリビューターでこのサイト以上に詳しく語れる所は無いと思います・・)
2007年、我々が初めてCastles Technologyへ訪問し、サンプルの端末(この当時はVEGA7000)と開発キット(SDK)を持ち帰り、開発を始めたのが全ての始まりでした。
今では数社のディストリビューターが輸入し日本の市場に投入することになっています。

VEGAシリーズは大きく分けると2つのプラットフォームがあります(ありました)。
※メーカーに確認を行わず全ての端末を扱ってきたエンジニアが独自の判断で分けています。
VEGAシリーズは何故かシリーズが新しくなるにつれ型番の数字が小さくなってきます。
VEGA3000の次のモデルはVEGA1000になるのかと思っていると、Saturn1000としてAndroidベースの端末になりました。

裏話ですが、VEGA3000は開発中にOrion(オリオン座)3000でデビューの予定だったみたいですが、商標の関係で断念してVEGA3000として発表されました。
もしかしたらOrion3000からプラットフォームの変更を予定していたのかも知れません。
その他Mars(火星)というモデルも開発しかけていましたし、Saturn(土星)にしてもそうですが、Kevin(創業者)は惑星が好きなんですかね…..。

世代CPULCDモデル
第1世代ARM 96MHz128×64ドット(モノクロ)VEGA9300
VEGA7000
VEGA5000
第2世代ARM 400MHz320×240ドット(カラー)もしくは、
480×320ドット(カラー/タッチスクリーン)
VEGA5000S
VEGA3000

VEGAシリーズのラインナップ

VEGA9300シリーズ

VEGA9300はハンドセット+クレイドルという構成でした。
このモデル以前にもいわゆるEFT-POSと呼ばれる開発は行っていたみたいですが、このモデルから現在のVEGAシリーズとして確立してきたのだと思います。現在でも日本の店舗で「某プリペイドカードの端末」として稼働しているのを見かけます。

VEGA7000シリーズ

VEGA7000は一体型(据置型)モデルとしてリリースされました。
このシリーズから設計上、PCI-PED(現在のPCI-PTS)の認定を取得したモデルと取得していないモデルから選択できました。
モデムやNFCなどオプションも充実しているモデルです。
背面には外部拡張端子が付いていたため、モバイル通信が出来る様にNTTドコモ並びにKDDIの3G通信モジュールのユニットを開発して販売したところ、大変良い評価を得たことを覚えています。

この頃、日本でVEGAの知名度を上げようとリテールテックJAPANへの出展を提案し、ブース作りに励みました。
またフランスのパリで毎年開催されているCARTE SHOW(現TRASTECH)へのサポートも行っていました。

VEGA5000シリーズ

VEGA5000は基本的にはVEGA7000と同等のスペックながらデザインやサイズが洗練されました。
また、端末の形状が、カウンタートップ(VEGA5000CT)とモバイル(VEGA5000M)とラインナップされ、モバイルタイプにはクレイドル(VEGA5000B)が用意されました。
また、いずれのモデルにもNFCあり/なしというオーダリングオプションが設けられました。(写真はNFCありモデル)
VEGA5000でもFOMA並びにKDDIの3G通信モジュールを開発し、リリース。
宅配ニーズやタクシー向けに販売台数を伸ばしました。

VEGA5000Sシリーズ

VEGA5000Sから液晶がカラーになり、CPUの処理速度が高速になりました。
VEGA5000とVEGA5000Sの見た目はほぼ同じですが、ベゼル(液晶パネルの周辺)の「VEGA5000」のロゴが液晶の下にあるのがVEGA5000で上にあるのがVEGA5000Sです。
外部拡張端子はVEGA5000と互換があるため、このモデルはモバイル端末として更に販売台数の増加に貢献しました。
また、初めて電子マネーへの対応も実現し、ショッピングセンターやコンビニエンスストアーへの採用も決まりました。

VEGA3000シリーズ

VEGA3000は現行モデルとして日本国内でもあらゆる場所で見かけるようになりました。
このモデルから液晶のサイズが選べるようになった事と、タイプがカウンタートップ(VEGA3000C)とモバイル(VEGA3000M)、そしてPINパッド(VEGA3000P)と3パターンから選択出来る様になりました。
つまり液晶のタイプと組み合わせると6パターンから選択出来る様になりました。
最新モデルのモバイルモデルは2世代目のモデルもリリースされ、キーパッドのサイズを大きくし、バーコードスキャナを実装し、最近のニーズにキャッチアップしています。

CTOSとは

Castles Technologyが展開するVEGAシリーズはCTOSというOSを開発し、実装しています。
CTOSとはCastles Technology Operation Systemの略です。
SDKはメーカーがディストリビューターに対して開示され、これを使って決済アプリの開発を行います。
ドキュメントは大変(比較的?)親切なもので各ファンクション毎にAPIリファレンスマニュアル、サンプルコードが用意されています。

Castles Technologyって会社

冒頭でも紹介しました通り、同社へは2007年に初めて訪問してから14年(2021年現在)になります。
社長を始め、営業、品管など様々なメンバーとやりとりしてきました。
みなさん、ひたむきに製品開発、セールスを行っていて、大変親身になってくれました。
これだけの時間、変わらず対応してもらえるというのは大変有り難いことです。
会社の中や各部門なども紹介していきたいですが、その辺はまたの機会に企画させて頂こうと思います。

毎日が残業デー

開発のメンバーとは本当に多くのやりとりを行ってきました。
ハードのエンジニア、ファームウェアのエンジニア、API(アプリ)のエンジニア、本当に沢山サポートしてくれました。
同社で営業のミーティングが終わったら、時間のゆるす限り開発のブースでみんなと話をしていました。
そのお陰か、スペシャルカスタマイズには快く対応してくれます。(会社が上場してからは営業通せとかめんどくさい事を言い始めましたが・・)

Castles Technology Co.,Ltd
http://www.castlestech.com
証券コード:5258

最後に

台湾製(実際には中国で製造している)の端末は冬に弱いのか、冬期にはよく不安定になります。
日本の設計、製造、検査のレベルとは大きく異なりトラブルが起きる度に、毎回「えっ?」という事が多かったのですが、最近はこなれて来たと思っています。
そこで、今まで苦労した不具合についていくつか述べます(全ては…)

  • RTCがよく狂う(通称2048年問題)
    RTC(リアルタイムクロック)が突然2048年になり、この事が原因で通信エラー(センターが電文に日付が入っているとはじかれる)になる事が頻繁に起きました。ちなみに、ソフト的にはこの年月日に設定は出来ません。
  • 起動しない
    ブート中に途中で息絶えるケースがある。
    起動中は画面下部に「プログレスバー」が表示されますが、途中で固まるケースがあります。
    再起動しても再現することもありました。
  • ネジが全部付いてない
    背面をみると、ネジが付いてない部分があり、不安になります。タイタンパー性能の関係でセンサーが反応しても嫌だし。
  • 静電気に弱い
    特に、冬場は静電気に弱く、電源がダウンしたら再起動したり結構賑やかです。
    そういった現象はまだ良いですが、帰らぬ人になるケースも多く苦労しています。


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