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Visaが2026年に日本で注力する3つの柱とは? タッチ決済やBtoB、トークン決済など、キャッシュレス決済推進を全国で加速へ
2025年12月18日9:15
ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)は、2025年12月10日、「日本のキャッシュレス推進と次世代決済への展望 〜2026年度に向けたVisaの戦略〜」をテーマにメディアブリーフィングを開催した。当日は、ビザ・ワールドワイド・ジャパン代表取締役社長 シータン・キトニー氏が登壇し、日本におけるタッチ決済の急成長や、大阪プロジェクトの成功事例を通じた消費者・ビジネスへのインパクト、法人決済やトークン化の推進など、2026年度の重点施策について紹介した。
ビザ・ワールドワイド・ジャパン代表取締役社長 シータン・キトニー氏
支払いのデジタル化に注力
未来を切り拓く強固な体制を築く
Visaでは、2025年に達成した重要な成果を振り返りながら、全国の消費者と企業に向けた26年の事業戦略の重点を伝えた。キトニー氏は、「Visaの最も重要な使命は、優れた消費者向け支払い体験を提供することです」と話す。消費者向け決済はVisaの事業の中核にある。変化する消費者の期待やライフスタイルに応えるために、製品やサービスを絶えず進化・適応させていく必要があるとした。
つまり、新しい技術に投資し、利用可能範囲を広げ、店舗内・オンライン・モバイルいずれの場面でも、すべてのVisa取引が迅速で安全、かつスムーズに行われるようにすることが求められる。
また、Visaは支払いのデジタル化に注力している。これまで消費者向け決済分野で強固な基盤を築いてきたが、法人決済、B2Bは依然として大きな成長の可能性がある。Visaはデジタルへの移行を加速させ、効率性を高め、あらゆる規模の企業が財務管理をより効果的に行えるよう支援していきたいとした。
さらに、取引そのものを超えた価値を提供することに全力を尽くしているという。最も安全で信頼性の高い支払いを実現すると同時に、優れたユーザー体験を提供することが求められる。消費者と企業の双方にメリットをもたらすパーソナライズされたオファーやロイヤリティプログラム、付加価値サービスを提供しているそうだ。
キトニー氏は「消費者体験、法人決済、そして付加価値サービスの三本柱に注力することで、Visaは新たなチャンスを掴み、パートナーと共に決済の未来を切り拓く強固な体制を整えています」と説明する。
対面でのタッチ決済取引約6割
日常的な店舗でタッチ決済浸透
消費者向けの決済分野でVisaが最も優れた支払い手段であり続けるために、どんな場面でも消費者が安心して選べるようサポートしているそうだ。また、パートナーと協力し、適切な製品や体験を適切な消費者に、適切なタイミングで届ける必要がある。そして、将来に対応できる体制を整える必要があるとした。「人々の支払い方法は、3年後、5年後、10年後には大きく変わっているでしょう。誰にでも、どこにでも対応し、支払いの未来に備えることを目指しています」(キトニー氏)。これを実現するために、決済のアクセプタンス拡大、消費者に合わせた支払い体験の提供、そしてイノベーションへの継続的な投資に注力しているそうだ。
この1年の成果として、タッチ決済が目覚ましい成長を遂げているとした。タッチ決済の採用は急速に進んでおり、普及率は現在60%に達している。「これは2年前のわずか15~20%からの大きな飛躍です」(キトニー氏)。この進展は、カードイシュア(発行会社)が約1億6,000万枚の非接触カードを市場に投入したことに支えられており、日本は世界の非接触決済の標準により近づき、これまで以上に多くの消費者が安全で便利な支払いを利用できるようになったそうだ。
コンビニエンスストアでは、非接触取引が2.2倍に増加し、普及率は90%に達した。レストランでは取引が約4倍に増え、約80%の普及率となっている。ドラッグストアでは取引件数が5.5倍に増え、非接触決済の普及率は70%に達した。 スーパーマーケットでは取引件数が3.2倍に増え、非接触決済の普及率は約60%だ。 キトニー氏は「これらは、私たちの日常的な店舗において非常に注目すべき成果と言えます」と話す。
Tap to Ride推進で日常利用促進
44都道府県で190事業者が導入
小売業だけではなく、公共交通においても大きな影響を及ぼしているそうだ。ここ1年で、日本の公共交通機関におけるタッチ決済の普及が急速に進んでおり、導入または導入予定の交通事業者の数は、現在では44都道府県で190を超えた。
キトニー氏は「これらの数字は、世界の単一市場における最大規模のTap to Ride(タップ・トゥ・ライド)導入を示しています。現在、世界中で1,000以上の交通オペレーターが活動しており、その多くが日本に集中していることがわかります」と成果を述べる。
大阪と福岡での過去12カ月の実績から得られたデータによると、交通機関でTap to Rideを利用するVisaカード保有者は、日常の利用分野において交通機関を利用しない人よりも、取引数と支出が常に高いことが明らかになった。QSR(クイック・サービス・レストラン)、食料品店、一般のレストラン、ドラッグストア、デパート、ディスカウントストアなどがある。キトニー氏は「消費者が交通機関でタッチ決済対応のVisaカードやVisaの支払い情報を使い始めてから最初の3カ月間に、Tap to Ride利用者が非利用者よりも13%多く取引を行い、そのVisaカードで12%多く支出していることを示しています」とした。Tap to Rideユーザーは、初めてその取引を行ってから6カ月経っても、それ以外のユーザーに比べて取引回数が8%多く、支出も7%高い。また、すべてのカテゴリーに範囲を広げると、その差はさらに大きくなる。Tap to Rideユーザーは最初の3カ月間で合計16%多く取引を行い、8%多く支出するが、その差は6か月経ってもそれぞ11%と4%のまま持続している。
大阪でタッチ決済が浸透
全国でその成功体験を展開へ
Visaは、2024年4月にキャッシュレスを通じた大阪府の地域経済活性化を目指す継続的かつ長期的な取り組みとして「大阪エリア振興プロジェクト」をスタートし、大阪におけるタッチ決済の普及と地域経済の活性化を力強く推進してきた。Visaは加盟店向けマーケティングプログラムを開始。その登録者数は60万件を超え、Visaの提供するオファーやそれに関連するキャンペーンに対して非常に高い関心が示された。参加する加盟店はVisaのマーケティング活動によって高まった認知度の恩恵を受けただけでなく、同プラットフォームを通じて、許可を得た上でVisaの消費者に直接自社をPRすることも可能だった。
キトニー氏は「これらの店舗が普段は来店しないような顧客も含め、より多くの方を呼び込み、売上の増加を促進しています。大阪での非接触決済の利用は、2024年4月から2025年9月のプロモーション期間中に180万人増加し、この地域の消費者の間で非接触決済技術が急速に広く浸透していることを示しています」と話す。大阪における非接触決済の普及率は74%に達し、全国平均の66%を上回った。キトニー氏は「これは、私たちが実施した的確な施策が消費者の利用促進と関与向上に効果的であったことを示しています」と語る。大阪におけるアクティブなVisaコンタクトレスカードは35%増加し、全国平均の14%を大きく上回った。大阪におけるタッチ決済対応のVisaカードの利用は、同期間の全国平均60%増に対し、101%増加した。
このように、大阪での好影響や、限られた地域での実験結果を踏まえ、この取り組みを日本全国に広げていく。大阪でのキャンペーンは、地域に根ざした的確な活動が決済導入を促進し、地域経済の発展に寄与することを示したという。
「大阪で培った戦略と知見を活かし、全国規模のキャンペーンでこれらの成果を再現・拡大することで、全国の消費者や事業者にシームレスで安全、そして便利な決済体験を提供していきます」(キトニー氏)
BtoBではデジタル決済導入を推進
トークン化やClick to Pay、AIコマースへ…
第2の注力となる法人決済のデジタル化については、デジタル決済ソリューションを導入に力を入れる。日本におけるB2B取引でのカード決済の普及率はわずか0.7%にとどまっている。これは韓国、アメリカ、オーストラリアなどの先進的な決済市場と比べて大幅に低いため、 市場拡大の大きなチャンスがあることを示しているそうだ。 しかし、課題はカードの利用率が低いことだけではないという。
「銀行振込などの従来の支払い方法には隠れたコストが存在します。仕入先にとっては、請求書の発行や回収、例外処理などの負担があり、これらの手間や非効率が重なることで、売り手が実際に回収する請求額の約4.7%にものぼる場合があります」(キトニー氏)。これらのコストには、手数料や運転資本の必要額、照合コスト、買い手が支払いを待つ間の遅延支払いによる資金調達、さらには実際に発生する不良債権も含まれるが、法人決済のデジタル化によるメリットは非常に大きいとした。
法人決済を受け入れるサプライヤーは、総収益の最大5.7%もの大きな財務的利益を得ることができるという。これらのメリットには、不良債権の減少、支払いの確実な実行、資金調達コストの低減、売上代金の早期入金、税負担の軽減、キャッシュフローの改善、電子決済データによる業務効率の向上、さらに売上の増加が含まれるという。日本企業がデジタル決済ソリューションを積極的に導入することで、業務効率の向上やコスト削減、新たな成長機会の創出が可能になる。Visaでは、日本のパートナーと協力し、デジタル決済の推進に力を入れる方針だ。
なお、2021年から2024年の平均成長率を見ると、22%伸びているが、2025年は成長率が12%と減速している。その点に関しては、これまで加速度的に成長が続いていたため一時的に伸び率が鈍化したとみており、2026年以降も成長が続くと考えているそうだ。Visaでは、地方銀行などと連携し、地方での展開にも力を入れていく。
第三の柱である「決済にさらなる価値を付加する」点については、統合サービスと革新的な技術を取り入れてすべての取引をより豊かなものにすることで、企業や消費者がより賢く、安全に、パーソナライズされ、つながりの深い決済体験から、より多くのメリットを受けられるよう支援している。
現在、日本の電子商取引は2024年には26兆円に達すると見込まれている。 また、日本市場では、安全で使いやすい決済体験へのニーズがますます高まっている。そのカギの1つとなるのがトークン化の推進だ。 「トークン化は、インフラの即時的なセキュリティ要件に対応するとともに、それ以上に、日本の消費者や加盟店に向けて実現したい次世代の決済機能の土台を築く役割を果たしています」(キトニー氏)。トークンはすべてのデジタル決済の基礎となり、エコシステム全体においてイノベーションとセキュリティを促進するそうだ。トークンは16桁のカード番号の代わりとなるものだ。決済プロセス中にカード情報が一切露出することはないため、データ漏洩やそれに伴う不正行為のリスクを大幅に減らすことができるとした。
また、トークンは動的で、消費者がカードを変更して有効期限が変わった場合など、最新のカード情報で更新される。セキュリティの強化や承認率の向上に加え、「Visaは、このトークナイゼーションを支払いの未来を築く基盤として活用しています」(キトニー氏)。これにより、生体認証やシームレスなカード・ファイル取引、そして消費者と加盟店の双方にメリットをもたらす新しいデジタルコマースのユーザー体験といった高度な機能を提供できるとした。
例えば、トークンによるセキュリティ基盤を活用した「Click to Pay」は同技術をさらに進化させ、消費者と加盟店に対してスムーズなチェックアウト体験を提供しているという。手動でのカード入力を排除し、ブランド間で一貫したユーザー体験を提供する。また、支払いがスムーズに行われるパスキー(Passkey)認証を利用するため、最高水準のセキュリティを全般的に維持するとした。従来のワンタイムパスワードのような方法はユーザーにとって負担となることがあるため、「Payment Passkey」を推進していきたいとした。Click to Payの進捗として、同取り組みに参加している発行会社は18社、決済サービスプロバイダーは5社となった。
キトニー氏は「そのトークン基盤を土台として、将来を見据えると、業界全体で『エージェンティックコマース』と呼ばれるAI駆動の商取引が、消費者と企業の関わり方を根本的に変革していくことは明白です」と述べる。AIエージェントは、消費者の指示に基づいて個別にカスタマイズされた提案を提供することに加え、実際に消費者に代わって購入や支払いを自ら行うようになる未来があるという。Visaはこうした未来に備えて準備を整えているそうだ。
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