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20239/13

KONAが日本市場でICチップ/カードの25~30%のシェア獲得を目指す 決済プラットフォーム事業の展開にも意欲

2023年9月13日9:05

韓国に本拠地を置き、グローバルな市場でICチップ/カードの開発・製造を手掛けるKONAインターナショナル(KONAI)が、2023年7月、日本法人を設立。同社が得意とするメタルカードなどの異素材カードの供給をより拡大させるとともに、中期的にはKONAの事業のもう1つの大きな柱、プラットフォーム事業の日本市場での展開も視野に入れる。日本法人代表に就任した笹井幸一郎氏は、近々日本はKONA全体の3割の売上を担う市場に成長するだろうと自信をのぞかせた。

左からKONA JAPAN 代表・カントリーマネージャー 笹井幸一郎氏、KONAI グローバルビジネスグループ ディレクター Yung Hwan Kim氏、グローバルセールスマネージャー Tay Kim氏

年間1億枚のカード製造
ハードウェアとプラットフォーム提供

近年、オンライン決済が増加し、物理的な決済カードの存在が薄れる傾向が進む中にあって、メタル、レザー、ジュエリーなどを使ったリッチでデザイン性に優れた異素材カードを意欲的に開発・製造し、グローバルな市場を舞台に売り上げを伸ばしてきたKONAインターナショナル(KONAI)。韓国に本拠地を置き、KOSDAQに上場しているIT企業だ。韓国国内2カ所の工場で、年間7000万枚のICカードと1億5000万個以上のICモジュールを製造している。

KONAの事業の柱は大きく2つ。前述のメタルカードなどのICカードやICモジュールの製造・供給を行うハードウェアビジネスのほかに、もうひとつ、IT技術を基盤とした決済プラットフォーム、データプラットフォーム、ブロックチェーンプラットフォームなどを提供するプラットフォームビジネスがある。

年平均28%の成長率で業績を拡大
韓国発のカード製造会社が日本に本格上陸

プラットフォーム事業は後発であったが、いまやKONAの売上高のほぼ半分を稼ぎ出す事業に成長。2つの事業を合わせ、KONAの年間売上高は、2018年の849億ウォン、2019年の1,203憶ウォンから、2022年には2,386憶ウォンと、年平均28.1%の成長率で拡大。2022年の売上高は円換算で約242億円となった。KONAのメタルカードなど特殊なカードは日本の主要な印刷会社で採用されており、日本市場はKONAにとって成長性のある重要な市場と位置付けられている。

KONAは2023年7月7日、100%KONAI出資による日本法人、KONAジャパン合同会社を設立。これまでKONA日本事務所 カントリーマネージャーとして日本市場の開拓にあたってきた笹井幸一郎氏が、新会社の代表に就任した。

異素材カードの主要サプライヤー
高級感のあるメタルカードを製造

日本法人設立について笹井氏は、「私がやることはこれまでとなんら変わりはない」と明言。というのも日本は韓国との時差もなく、日本のKONAユーザー企業はこれまでもクイックできめ細やかなサポートを受けられる体制下にあったからだ。とはいえやはり、日本事務所が正式に日本法人となったことで状況は変わる。KONAは今後、より日本市場に根付いた企業として今まで以上の信頼を得、より多くの日本企業との接触機会を持つようになると期待される。

メタルカードなど意匠性の高いカードの製造に強みを持つ

KONAI グローバルビジネスグループ ディレクター Yung Hwan Kim氏は、「もともと国内に高い技術力を有している日本に韓国企業が進出できたことに、ライバル企業は大変驚いていますし、弊社としてはとても喜ばしいことだと思っています」と話す。今後は自社製品を日本市場に紹介していきながら、日本から学べることは積極的に吸収したいとしている。

異素材カードでは、メタルカード、ジュエリーカード、レザーカード、木材カードなどを提供している。また、メタルカード、ドアの施錠・解錠ができるスマートキー、バイオメトリクスカード、液晶ディスプレイが付いたハードウェアウォレットを製造している。高級感や重量感のあるメタルカードは、メッキ、3Dパターン、PVD、デジタル印刷、CNC、レザー刻印、エッチングなどの技術を有している。また、6/8PINといったICチップの製造も行っている。

世界的にも日本は有望なマーケット
KONA全体の3割の売上を担う市場に成長へ

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