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「図書カードNEXT」が全国の書店に加え、ネット書店での利用も強化 デジタル版の「図書カードNEXTネットギフト」で気軽に贈れるギフトへ

2023年7月25日8:00

日本図書普及は、2016年6月からサーバ管理型のギフトカード「図書カードNEXT」を展開している。1960年に全国唯一の「全国共通図書券」としてスタートした仕組みを2016年6月、サーバ管理型の「図書カードNEXT」として刷新。サーバ管理型で運用コストを抑えつつ、ネット書店での利用への対応、SNSやメールで気軽に贈れる「図書カードNEXTネットギフト」を発行するなど、本を贈るギフトとしての魅力を高めている。

サーバ管理型で運用負荷を軽減
セキュリティ面で成果

日本図書普及が発行する本のギフトカード「図書カードNEXT」は、全国約7,200の加盟書店において販売・利用が可能だ。図書カードNEXTの加盟店制度に加入している全国の書店のうち、図書カード読取り機が設置してある約7,200の店舗や一部のオンライン書店で、本や電子書籍の購入に利用できる。現在、発行額は年間約350億円。日本図書普及では、1990年よりPET素材の磁気カード「全国共通図書カード」を発行してきたが、2016年、サーバ管理型の「図書カードNEXT」へ切り替えた。ユーザーの使いやすさを追求し、商品価値を高めることによって発行額の減少に歯止めをかけると同時に、運用コストを削減できた。

書店で販売されている「図書カード NEXT」

加盟書店には、図書カードNEXTに加え、従来の図書カードにも1台で対応できる専用端末を無償貸与。カード裏面に印字されたQR コードを専用端末で読み取ることによって、リアルタイムでデータセンターと交信し、残高の減算を行っている。また、QR コードには複製を防止する特殊加工がされており、専用端末のみで読み取りが可能だ。流通部長代理 吉田正明氏は「不正は今のところまったくありません」と成果を述べる。磁気式の図書カードの場合、「磁気が壊れてしまった場合は使えないデメリットがありましたが、それがなくなったのは利用者にとっても書店にとっても大きいです。書店でのトラブルもなくなりました」と吉田氏は説明する。

図書カードNEXTの券面のデザインは、ピーターラビット4種、西洋絵画4種、ディズニー2種の計10種類。流通部長 佐藤隆氏は「昨年末にディズニーキャラクターデザインを開始しましたが、お客様に好評で、引き続き注力していきます」と話す。利用者の傾向として、個人利用は3,000円や5,000円、キャンペーンでは500円や1,000円の券種が活用されるケースが多い。

加盟書店では現在、ほとんどの利用が図書カードNEXTとなっている。図書カードNEXTの有効期限は10年。従来の図書カードには有効期限がなかったが、10年以内にはほぼ100%使用されていた実績がある。図書カードNEXTも同様に、贈られた人は早い時期にほとんど利用しており、現時点では従来の図書カードと有意な違いはないものと判断している。

新たに楽天ブックスでの利用を開始
ネットギフトは販促/キャンペーンで活用

昨今、インターネット書店の普及などの環境変化により、書店数は減少しているが、図書カードNEXTではネット書店での利用も可能だ。紀伊國屋書店オンラインを皮切りに、honto、e-hon、学参ドットコム、ブックウォーカーで順次取り扱いがスタートし、2023年6月からは楽天が運営する楽天ブックスでも書籍・雑誌の購入が可能となった。Webでの利用時は、図書カードNEXTの裏面に記載のID番号とPIN番号を決済画面に入力する。宣伝広報課 京谷雅也氏は「まだリアルの方が多いですが、これからはネット書店でも使える事が周知されると考えております」と期待を込める。

2018年1月からは、メールやSNSを利用して図書カードNEXTを贈ることができる「図書カードNEXTネットギフト」の販売も開始。京谷氏は「主に企業や地方自治体などでまとめてご購入いただいています」と説明する。図書カードNEXTネットギフトの特徴として、メールやSNSで送付できるため、郵送コストを省くことができる。また、企業にとっては、キャンペーンや商品の販促に活用可能だ。京谷氏は「図書カードNEXTネットギフトは、知っていただくと評価いただけるため、今後もPRに力を入れていきたい」と意気込みを見せる。

図書カード NEXT ネットギフト

なお、プリペイドサービスの中にはアプリ化などに力を入れているサービスもあるが、図書カードNEXTはギフトで使い切りでの利用が中心である点、開発やメンテナンスコストなども必要となるため、検討を進めているが開発着手までは至っていないようだ。

図書カードNEXTの8年間の成果として、Webでの利用やネットギフトなど、これまでの磁気カードではできなかったことが可能になり、利用範囲が拡大している。今後はQRコードを活用した別の展開も考えられ、可能性は広がったと見ている。近年では、さまざまなネットギフトが登場しているが、「本に限定していることを強みに、魅力を追求していきたい」と京谷氏は意気込む。出版業界の共同事業としてスタートした日本図書普及の目的は、読書普及と書店への送客支援となる。今後も図書カードNEXTは、書店の魅力を再発見してもらうツールであると同時に、変化する本との出会いの場も提供し、魅力的な存在であり続けることを目指す。

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