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ヤマダHD、「ヤマダNEOBANK」サービス開始から1年半でアプリの利用頻度増加

2023年4月5日8:00

「ヤマダPay」やスマホデビットの機能追加、グループサービスとのシナジーも

ヤマダホールディングス(ヤマダHD)が2021年7月、住信SBIネット銀行の「組み込み型金融」で金融サービス「ヤマダNEOBANK(ネオバンク)」を開始してから1年半。預金や決済、家具や家電の購入費を含めた住宅ローンの提供などのサービスや、キャッシュレス決済サービス「ヤマダPay」利用によるポイント付与などの特典は徐々に浸透してきている。デビット付キャッシュカードをスマートフォン決済にも対応させるなど、利用の幅を広げる。

ヤマダホールディングス 取締役兼執行役員 管財本部管掌 福井章氏

ヤマダPayやクレカでの買い物でポイント付与
家具・家電の購入費込みの住宅ローンも

「ヤマダNEOBANK」は、住信SBIネット銀行が決済、預金、貸出などの銀行機能を提供する「NEOBANK」を活用したサービスだ。ヤマダデンキの「ヤマダデジタル会員」アプリ内で口座を開設すると、預金や振込、住宅ローンなどの金融サービスが利用できるようになる。口座は住信SBIネット銀行の支店という位置づけで、ヤマダデンキが銀行代理業を担う。

口座の利用者にはデビット付キャッシュカードやアプリで使えるスマホデビットを発行し、家電や家具、リフォーム、住宅の販売などさまざまな事業を展開するヤマダHDならではの特典を用意した。例えば、買い物の際に「ヤマダPay」で口座から支払うと、利用総額の1%相当のポイントを付与。口座を引落口座に指定したクレジットカード「ヤマダLABIカード」利用の場合は、カードの特典に加えて利用総額の1%相当のポイントが付与される。

また、ヤマダHDグループで住宅を購入した場合は、家具や家電の購入費も組み込める住宅ローンを提供する。さらに、ローンの利用や口座振替など毎月の利用状況に応じてポイントが貯まるようにした。2022年9月からは、デビット付キャッシュカードをApple PayやGoogle Pay(Google Wallet)に連携できるようにし、買い物などでより便利に使えるようにしている。

ヤマダNEOBANK スマホデビットとヤマダNEOBANK デビット付キャッシュカード

ヤマダHDは以前から、クレディセゾンと提携した「ヤマダLABIカード」や保険など、金融サービスに力を入れていた。ヤマダホールディングス 取締役兼執行役員 管財本部管掌 福井章氏は「預金や決済、ローンといった金融機能は、グループの事業にとって重要なインフラになり得ると考えていましたが、銀行業への参入には莫大なコストがかかるうえ、法の規制もありなかなか手が出せませんでした」と話す。

そんな時に住信SBIネット銀行から、銀行代理業として金融サービスを提供できるネオバンクを提案された。銀行を開設するよりもコストが各段に抑えられ、ヤマダHD独自のサービスも展開できるネオバンクはヤマダHDの方針とも合致し銀行サービスへの参入を決めた。コロナ禍でキャッシュレス化が推進されていることも、決断を後押ししたという。

スマホ決済との連携などで顧客に浸透
ネオバンク活用でグループの売上増に貢献

「ヤマダNEOBANK」のサービス開始から1年半が過ぎた。ヤマダHDによると、2022年7月に全国のヤマダデンキでヤマダPay導入が利用できるようになったことから利用総額の10%相当のポイントを付与するなどキャンペーンを展開したり、デビット機能付きキャッシュカードやスマホデビットをApple Pay、Google Payと連携できるようにするといった機能を追加したりするなどして、少しずつグループの顧客に浸透していっている。

キャッシュレス決済サービス「ヤマダPay」

家電量販店の場合、アプリのコアユーザーは30~40代男性だが、ネオバンクは年齢層、地域ともに偏りがないという。また、デビットカードやスマホデビットはグループ以外の店舗で買い物した際も利用総額の0.5%がポイントとして還元されるため、利用頻度が多い傾向だ。デビット付キャッシュカードについては、スマホデビットを導入したこともあり、2023年9月30日までは無料、それ以降は手数料1,100円(税込)で発行する予定。

口座はヤマダデンキのアプリから利用できるため、口座保有者がアプリを開く頻度も着実に増えている。「サービス導入前は年に1、2回、ヤマダデンキで買い物する際にアプリを開く方が多かったです。しかし、口座をお持ちの方は残高照会や振込などでアプリにアクセスする頻度が違います。いろいろな通知や広告が自然と目に触れるようになりますので、隠れた貢献をしているのではないかと思っています」(福井氏)

ただ、ヤマダデンキの売上で見た場合、キャッシュレス決済ではクレジットカードの利用が圧倒的に多く、ヤマダPayやデビットなどネオバンクのサービスが占める割合は決して多くはない。しかし、福井氏は「ネオバンクはあくまでヤマダHDグループの金融インフラだと捉えています。ネオバンク単体で収益を上げるというよりは、ネオバンクの仕組みを使ってヤマダデンキの売上に貢献することの方がウエイトは高い」と話す。

そのために、今後はネオバンクのサービスをより顧客にとって魅力的な、使いやすいサービスにしていく。口座開設やヤマダPayの利用手続きをよりスムーズにするとともに、会員サービスの年会費などグループで提供しているサービスの費用をネオバンクの口座から引き落とせるようにする予定で、ポイント運用などについても検討していくという。

「決済・金融・流通サービスの強化書2023」より

 

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