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202211/1

IWIとPKSHAが開発したクレカ業界横断型の不正検知サービスの強みとは?

2022年11月2日8:40

AIを駆使し高精度かつ安定的な不正削減効果を実現

インテリジェント ウェイブ(IWI)とPKSHA Technology (PKSHA)は、クレジットカード会社間で不正利用データをシェアする業界横断型の不正検知サービスを共同開発。来年初頭にも提供を開始する。データシェアリングによって不正の手口を業界全体で共有できるようになることに加え、PKSHAが提供する「トレンド追従型AI」の活用によって新しい手口にもいち早く自動的に対応できるようになり、不正検知効果の大幅な向上が期待されている。

写真右から、インテリジェント ウェイブ(IWI)第二システム本部 第二部長 夏目康秀氏、同代表取締役社長 佐藤邦光氏、PKSHA Technology 代表取締役 上野山勝也氏、同 アルゴリズム事業本部 執行役員 森田航二郎氏

不正利用データを導入企業間でシェア
業界を挙げて不正対策を推進

インテリジェント ウェイブ(以下、IWI)とPKSHAは、クレジットカード会社間で不正利用データをシェアすることにより、不正検知の精度を高度に保つ「FARIS共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」を共同開発した。このサービスにはPKSHAのAI技術が活用されている。IWIがクレジットカード業界で多くの実績を持つオンプレ型不正検知システム「ACE Plus」、およびクラウド型サービス「IFINDS(アイファインズ)」に機能を付加するかたちで、来年初頭にも提供を開始する予定だ。

たとえばIWIの「IFINDS」は、不正検知の精度を上げるために、イシュア(カード発行会社)が登録する「ルール」と、過去の情報をもとに自動的に不正確率の高い取引を識別する「スコアリング」を併用している。しかし個社ごとに行うルールの作成やスコアリングは、自社で検知していない手口への対策ができないため限界がある。

「FARIS共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」では、導入企業の不正利用データを共有して共同スコアリングを行うので、個社にとっては未知の手口であっても業界にとって既知の手口であれば即時に対策をとることが可能であり、不正リスクを未然に回避することができる。

IWIでは2019年ごろからこのサービスの検討を開始していたが、「いちばんの課題は、このサービスの“頭脳”をどこに任せるかということだった」(IWI 第二システム本部 第二部長 夏目康秀氏)。同社は最終的に、ジャックスやセゾンカードといったイシュアで導入実績のあるPKSHAを協業先に選んだ。イシュア3社のデータを用いて行った事前精度検証で、PKSHA が提供するPKSHA Securityは不正削減率約29.7%と、海外製品と比較して2倍以上の効果を実証したのだという。

 

「トレンド追従型AI」を採用
新たな不正パターンにも迅速な対応が可能

「FARIS共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」には、PKSHAの「トレンド追従型AI」が使われている。新たな不正パターンが出現した場合、従来はそれを人が認識してから対応策を講じていたため、不正削減効果がいったん大きく低下することを免れなかったが、「トレンド追従型AI」では高頻度でリモデルをかけることで人手をかけずに自動で対応。これにより、不正削減効果を大きく低下させることなく高い精度を保ち続けることが可能である。またPKSHAのAIは、複雑なロジックで不正を識別するため、単純なルール設定では通常利用と見分けがつかないような不正も検出することができる。

日本のキャッシュレス市場は100兆円規模にまで成長し、そのうちクレジットカード比率は約30%。利用額の増大とともに犯罪件数も増加。2021年のクレジットカード不正被害総額は過去最悪の約330億円となった。日々巧妙化する不正利用を人手でブロックするのは至難の業。検討した末に止めなかった取引が不正だったり、止めた取引が不正ではなく、結果としてクレームが発生したりと、モニタリング担当者の悩みはつきない。「PKSHA Security」は、PKSHAの不正・犯罪検知プロジェクトにおける知見を集約し、「止めるべき取引だけを止めることを追求した結果、行き着いた技術」(PKSHA Technology アルゴリズム事業本部 執行役員 森田航二郎氏)であるという。

今後ほとんどのソフトウェアはAI化する
JCBとの協業事業で活用、イシュア以外での展開も

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