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202210/23

元LINE Pay COOの長福氏がネットスターズでDX推進、コード決済のこれまでと今後の普及のポイントは?

2022年10月24日8:00

■決済・カードビジネス直球インタビュー
QRコード決済ゲートウェイを提供するネットスターズは、インバウンド決済を皮切りにキャッシュレス決済を国内で広めたパイオニア的な企業だ。オレンジ色が特徴の決済端末を店舗で見かけたことがある人も多いと思うが、同社は日本国内のQRコード決済黎明期より市場拡大を進めてきた。2022年2月に同社の取締役COO(最高執行責任者)に就任した、元LINE Pay 取締役COOの長福久弘氏に、ネットスターズでの取り組みと、過去を振り返ってもらいながら今後のQRコード決済サービスやキャッシュレス決済の普及の展望について話を聞いた。

ネットスターズ 取締役COO(最高執行責任者)長福久弘氏

記事のポイント!
①国内全てのコード決済の取り扱い量が伸びる
②アジア現地のコード決済にも対応へ
③「StarPay」は1万5,000社以上、334万拠点で利用
④ミニプログラム「StarPay-mini」を展開
⑤月に2~3本をローンチ

⑥真のトータルDXカンパニーを目指す
⑦「LINE Pay」のキャッシュレス推進を牽引
⑧コード決済という新しい事業体、サービスを切り拓く
⑨LINE Payではプロモーションや手数料無料を率先して展開
⑩コード決済のキャッシュレス戦争を振り返って
⑪ZHDとLINEの経営統合は歴史的な出来事
⑫コード決済は真価を問われるタイミングに
⑬BNPLや独自Payの展開も注目
⑭官民の連携でキャッシュレス80%を

「WeChat Pay」を国内で広げる
他のインバウンド決済の広がりも見据える

2009年設立のネットスターズでは、2015年に「WeChat Pay」を日本国内で初となるQRコード決済を提供した実績がある。2018年からは、「d払い」、「LINE Pay」といった国内のコード決済(QRコード決済/バーコード決済)への対応も開始している。2018年12月には「PayPay」が100億円還元キャンペーンを実施し、2019年10月~2020年10月まで行われた政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」なども後押しし、コード決済は国内でも市民権を得た。2020年4月にはコロナ禍により「WeChat Pay」や「Alipay」をはじめとしたインバウンド決済は昨年対比90%以上の取り扱い減になった一方で、「国内のペイメントが伸びましたので、GPV(トランザクション量)はずっと右肩上がりとなっています」と取締役COO(最高執行責任者)長福久弘氏は話す。現在、同社は国内外あわせて25以上の決済サービスを取り扱っているが、国内全てのコード決済の取り扱い量が伸びている。また、国内の決済手段では、ネットプロテクションズの後払いサービス「atone」などにも対応しているが、主婦層などから根強いニーズがある。

ネットスターズのサービス

今後、インバウンド需要が回復すれば、さらにサービスは軌道に乗ることは間違いない。ネットスターズは、日本本社に加えてシンガポールにグローバル拠点のヘッドクォーターがあり、ベトナムに開発部隊を有している。すでにタイの「PromptPay」などへの対応を行っているが、今後はアジアの現地で利用されているコード決済への対応も進めていきたいとした。

現在実施中の取り組みとして、神奈川県が7月19日~11月30日まで行う「キャッシュレス・消費喚起事業」第2弾に、同事業の運営を行う共同企業体の一社として参画している。同事業では、専用アプリ「かながわPay」を通じてQRコードの読み取りを通じた決済サービスで代金を支払うと、決済額の最大20%の金額に相当するポイント(総額100億円分)を消費者に還元している。ユーザーは「au PAY」、「d払い」、「はまPay」、「LINE Pay」、「楽天ペイ」から支払うことが可能だが、同社の決済ゲートウェイの技術が使われている。

これまで、マルチ決済ゲートウェイサービス「StarPay(スターペイ)」は、1万5,000社以上、334万拠点で利用されている。同社自身での提供に加え、OEM方式でサービスを提供しており、また、横浜銀行、千葉銀行、沖縄銀行をはじめとする地方銀行との連携も強化している。

長福氏はLINE Pay時代に、さまざまな決済ゲートウェイとのつなぎ込みを担当してきたが、「今後は特色のない会社は厳しくなってくると思います」と見ている。実際、ゲートウェイ事業者も淘汰が進んでいる。

ミニアプリで加盟店のDXを支援
痒い所に手が届く真のDXカンパニーを目指す

同社が現在注力するのが加盟店向けDXツールのミニプログラム「StarPay-mini」だ。企業のニーズに応じて、予約、クーポン、会員登録、EC、テーブルオーダー・モバイルオーダー、ロボットとの連携が1つのスーパーアプリ内で完結する仕組みを作り込んでいる。長福氏は「『LINE』、『d払い』、『PayPay』の3社のミニアプリで実績があり、さらに海外スーパーアプリにも対応できることが強みです」と自信を見せる。ミニアプリは、ネイティブアプリに比べて比較的安価に作ることができ、日常的に利用されやすい。ネットスターズではコンサルティングやソリューションも含めてサービスを提供しており、「3カ月から半年くらい開発期間がかかりますが、月に2~3本をローンチし続けています」と長福氏は成果を述べる。すでに「PayPay」アプリ内での吉野家のモバイルオーダー、「LINE」と「d払い」内でのはなまるうどんのモバイルオーダー、「LINE」内でのハイパーソフトの美容室向け予約アプリ、「LINE」と「d払い」内でのJTBのレジャーチケットなどで採用された実績がある。また、飲食店のデジタル化を支援する「StarPay-Order」が学食に導入されたほか、「StarPay-Robot」が無人ロッカーに連携しさらに配膳ロボット、自動配送ロボットなどへも拡大を予定している。最近では、人手不足の課題から、店舗業務の効率化に関する引き合いが増えている。無人化ソリューションは、LINE Pay時代にも注目していたが、完全無人化すると、商品提供の範囲を狭める課題などもあることから、有人と無人のハイブリッドソリューションなど、店舗の売上向上と効率化の両面から提案を進めている。

長福氏は「ネットスターズはコード決済で大きく成長できましたので、真のトータルDXカンパニーになっていきたいです」と意気込む。同社のエンジニアの技術力、コンサルティング力は、企業のDXの推進に向けて、大きな武器になるとした。例えば、某セルフガソリンスタンドチェーンへの導入においては、オーソリ不要のコード決済を、ガソリンスタンド特有の前払いに対応できるように給油後の返金の仕組みを構築した。コード決済の導入を求めるガソリンスタンドは多く、すでに複数の引き合いが寄せられており、「今後は、こういったDXのノウハウをさまざまな業界に広げていきたい」と長福氏は力を込めた。

インタビュアーの池谷 貴(左)とともに

「LINE Pay」のキャッシュレス推進を牽引
ネットスターズがLINE Payと最初のつなぎ込み企業に

長福氏のこれまでの経歴として、不動産のセールスで社会人のキャリアをスタート。アイスクリーム店にも携わり、3店舗から25店舗に拡大させた実績を持つ。2009年にライブドア(現LINE)へ入社し、2013年からLINE Business Partnersに移り、14年から同社の代表取締役に就任した。2017年にLINE Payとの合併により、LINE Pay 取締役COOに就任し、「LINE Pay」のキャッシュレス推進を牽引している。

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