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PayPay銀行のVisaデビットがメインカード化で成果、PayPay利用者増もプラスに
2022年6月22日9:00
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は、実店舗とオンライン双方で利用できる「Visaデビットカード」を新規口座開設者に年会費・手数料無料で発行している。同社では、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を目的として新規口座開設者が伸長しているが、Visaデビットカードの取扱額の伸びにつながっている。また、法人口座の増加により、法人向けデビットカードも成長しているという。
PayPay銀行 個人事業部 及川奈津子氏
記事のポイント!
①「PayPay」目的の口座開設者が増加
②個人向け、法人向けともに成長
③コロナ禍で非対面の利用が増加
④1回の平均決済金額は4,000円~5,000円
⑤タッチ決済も成長、Apple Pay対応を望む
⑥年齢層は30代、40代が中心、デジタル世代への対応も
⑦ナンバーレスカード化には慎重な姿勢
⑧国内インフラ特有の課題は改善傾向
⑨口座への入金手段の充実が鍵に
⑩即時払いのデビットのニーズは常に存在
⑪PayPayとの棲み分けは?
⑫スマホ活用のeKYCに移行
⑬Visaデビットは成長途上。今後の目標は?
コロナ禍でEC決済が増加
月の利用額は4万円台に
PayPay銀行は、2010年にカードレスVisaデビット、2013年にVisaデビットカードを発行し、サービスの改善を続けてきた。Visaデビットは口座利用者に総付けで発行しているのが特徴で、主力商品の1つとなっている。現在、同社の口座数は約600万で、デビットの月間売上金額は200億円となる。「PayPay」を目的とした口座開設者が増えたことも後押しとなり、利用者拡大につながっているそうだ。個人事業部 及川奈津子氏は「PayPayから強力に口座が獲得できるので圧倒的なメリットになります。デビット総付けで出していますので、恩恵をあずかれます」と説明する。
PayPay銀行のVisaデビットカードは、利用代金を使ったその場で口座から引き落とし。世界中のVisaマークのある店舗やECサイトで利用可能だ
近年は、個人向け、法人向けともに伸びており、Visaブランドを発行するデビットのイシュア(発行会社)の中でも利用が上位となっており、伸び率も業界平均を上回っている。及川氏は「非対面で使われるユーザーが多いですが、コロナ禍で弊社のビジネスモデルとマッチしました。非対面が圧倒的に伸びています」と成果を述べる。VisaデビットカードはAmazonでの利用が最も多く、iTunes、Google Playといったオンラインサービスが上位を占める。及川氏は「非対面が強いのは、逆に言えば対面が弱いことになりますので、引き上げていかなければいけないところです」と気を引き締める。
1回あたりの平均決済金額は4,000円~5,000円となり、「月の利用金額はクレジットカードのメインカードで月5万円台と言われていますが、月4万円台と近づいています」と及川氏は話す。決済金額を見るとメイン口座として使われていると分析している。
タッチ決済は前年比140%の伸び
デジタル決済は今後さらに重要に
同社のVisaデビットカードは、2018年11月発行分より「Visaのタッチ決済」に対応しており、前年比140%の取扱高の伸びとなった。2019年11月にはGoogle Pay、Garmin Pay、2021年4月21日からFitbit Payに対応している。スマートデバイスの利用者は一定数存在し、ヘビーユーザーも多いが、「日本人はまだまだカードが好きな印象があります」と及川氏は話す。現状ではApple Payに対応できていないが、さらなる利便性向上のため、同社では早期の対応をVisaに望んでいる。
Visaデビットを利用する年齢層は30代、40代が中心だ。現在は、グループ会社から流入する口座数が増えており、デジタルネイティブな若い世代も入ってきているため、そこを見据えてデジタル決済は用意していく必要があるとした。
Visaデビット利用者へのインセンティブについては、以前はキャッシュバックだったが、ユーザーアンケートで対応を望む声が多かった「PayPayポイント」に変更している。
なお、SMEを中心とした法人利用は、個人向け以上に稼働率が高いという。クレジットカードのような審査不要でデビットカードを保有でき、国内の発行イシュアも少ないため、選ばれているそうだ。また、仕入れなどで利用されるため、決済単価が高い特徴がある。以前は個人向けほどの成長が見られなかったが、「ここ2~3年で伸びが変わってきました」と及川氏は述べる。
カードのナンバーレス化には慎重?
国内特有のインフラ面は改善傾向に
今後は利用者のさらなる稼働活性化を目指す。テレビCMなどの影響により、Visaデビットの認知度は高まっているもののまだまだ訴求する必要がある。
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