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202110/20

新型コロナウイルス感染症拡大以前に比べて 中小企業のデジタル化は3倍に(Mastercard)

2021年10月20日15:56

Mastercardは、世界的な医療危機とその後の回復が世界の中小企業に与えた影響を明らかにするため、最新の調査「Recovery Insights: Small Business Reset 」を発表した。

同調査はオーストラリア、香港、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイを含む、世界19の市場を対象としており、医療危機のピーク時には、中小企業の売上高は大企業に比べて最大で20%ポイント減少したことが明らかになった。しかし、2021年には増加傾向が見られたという。中小企業の総売上高は、2021年8月までの累計で見ると前年同期比で4.5%増加し、電子商取引の売上高は世界全体で31.4%増加したそうだ。

Mastercard Economics Institute(MEI)の新しい「Small Business Performance Index」について、Mastercardネットワーク内の匿名化された販売活動情報を用いたこの「Recovery Insights: Small Business Reset」調査は、いくつかの重要なトレンドを明らかにしたという。

アジア太平洋地域では、パンデミックの初期に休業した小規模企業は、大規模企業と比較して長期休業を続ける可能性が約2倍と、世界のどの地域よりも高い回復力があることを示している。世界的に見ると、小規模小売業者は大規模小売業者と比較して、6カ月以上休業を続ける可能性が平均で3倍高く、2020年4月に休業した小規模企業の3分の1は、6カ月以上休業を続け、約5分の1は12カ月以上休業した。

また、ロックダウンをきっかけに、毎月オンラインに移行する企業数はパンデミック前の3倍に増え、2020年7月にピークを迎えたが、これはオンラインでの販売チャネルに対する需要の高まりを反映しており、デジタルへの移行はその後も高いレベルで続いているとした。オーストラリアでは、2020年に電子商取引による販売を始めた加盟店の数が2019年に比べ、60%増加した。

2020年にアジア太平洋地域で事業を設立した小規模小売業者は、2019年に比べておよそ35%増加し、これは中小企業の新規設立の世界平均32%に比べてわずかに多く、大企業新規設立の4%に対し、8倍以上となった。この傾向は、オーストラリア(73%増)、日本(38%増)、タイ(29%増)で最も強く見られている。

拠点として、観光客や勤労者が自宅周辺に留まるようになったため、繁華街にある小規模企業の売上は減少する一方、住宅地での売上は増加している。シンガポールでは、オフィス街以外での消費額はパンデミック前の金額を超えており、中小企業と大企業の販売額はそれぞれ2019年の水準の107%増と104%増となっている。シドニーでは、オフィス街での小売店舗での消費額は約14%減少しているが、郊外では24%増加している。

飲食・宿泊事業は、アジア太平洋地域では、2020年と2021年にかけて、小規模な宿泊事業の実績が大規模な宿泊事業を大差で上回っている。旅行の行先については、地元に滞在する傾向があるため、小規模な宿泊事業が恩恵を受けているそうだ(大都市の大型ホテルは打撃を受けている)。対照的にレストランは、2021年初来では中小の飲食店が大規模店を約17%ポイント下回っている。注目すべき例外は香港で、2021年には中小の飲食店が大規模店に対し、引き続き優位を維持している。

2025年までに5,000万の小規模事業者と2,500万人の女性起業家をデジタルエコノミーに取り込むことを目指しているMastercardにとって、中小企業の経営者を支援することは今後も優先課題だとしている。Mastercardの「Digital Doors」カリキュラムは、企業のオンライン化と保護をサポートし、デジタルプレゼンスを最大化し、電子商取引をシームレスに統合するための最適なツールを確保するために、無料にて「 Small Business Digital Readiness Diagnostic 」を提供しているそうだ。最近では、Mastercardは2500万ドルを拠出し、Strive initiativeを通じて500万以上の中小・零細企業のデジタル化を支援している。

また、 Mastercardは世界各国の政府、企業、その他組織と緊密に連携し、小規模企業が繁盛できるような環境づくりやプログラム、 施策を作っている。

Mastercardは、「City Possible」や「Recovery Insights」プログラムの一環として、さまざまな都市、州、連邦政府に地域別消費動向の情報を頻繁に提供しており、政府が中小企業の復興を支援する方法を取り上げた最新の政策文書などのコンテンツも提供している。

この記事の著者

ペイメントナビ編集部

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