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202110/3

STマイクロエレクトロニクス、EMVデュアルとFeliCaの1チップ対応など国内事業は順調に成長

2021年10月4日8:00

ICカード等のセキュア・マイコン市場において、世界でも指折りの企業となるSTマイクロエレクトロニクス(ST)。日本市場でもFeliCaとのアライアンスをはじめ、独自性の高い製品を提供しているそうだ。今回は、STのICカードやモバイル向けの製品について、マイクロコントローラ & デジタル製品グループ セキュア・マイクロコントローラ製品部 部長Michel FAURE(ミッシェル・フォール)氏に説明してもらった。

マイクロコントローラ & デジタル製品グループ セキュア・マイクロコントローラ製品部 部長Michel FAURE(ミッシェル・フォール)氏

記事のポイント!
①ICカード、ブランド保護、モバイル向けの製品を提供、国内事業はこの10年で成長
②ICカード向けはセキュア・ハードウェア単体、包括的な SoC ソリューションまで提供
③ST54は将来UWBも提供へ、ST4SIMはIoTマーケットに対応可能
④ST31P 40nm Flash ベースの最新バージョンSTPayTopaz
⑤1チップでデュアルEMV決済アプリ、FeliCa、日本国内の全銀のスキームなどに対応
⑥生体認証カードのSTPayBioは市場が求める価格での提供を目指す
⑦将来のビジネスプランは?

国内事業は10年で大きく成長
従来のICカードから組込み型のセキュア ICへ

STのセキュア・マイコン事業は国内で20年以上前から実績がある。ICカード、ブランド保護、モバイル向けの製品を提供しているが、「国内でもこの10年で大きく成長しており、売り上げ規模も継続して前年比で伸びて、人員も増えています」とフォール氏は成果を述べる。

国内の実績としては、日本のプリンタメーカーのブランド品保護でセキュア・マイコンSTSAFEファミリーが使用されている。特にST33ファミリーの採用が増えており、総務省が日本のMNO(モバイル・ネットワーク・オペレーター)に対し、SIMからeSIMへの早期切り替えに向けたガイドラインを発表したことも導入を後押しした。また、MNOと相互運用性を持つSIM/eSIM ST33ファミリー、ST21セキュアNFC、eSIMとNFCが統合され、グローバルと国内のモバイルFeliCaスキーム認証済みのST54製品ラインなどが採用されている。フォール氏は「多くの機種がST33 eSIMあるいはST54のコンボチップを採用しており、すでに日本国内でも販売されています」と話す。フォール氏は「ST54の採用が決定した場合、弊社の担当者がフェリカネットワークスと協力して、デバイス認定を取得するまで一貫してサポートを行います。日本の東京オフィスに充実した評価ラボを所有しているため、ロボットアームを使って、様々なリーダライタで自動化の評価ができます」と自信を見せる。

さらに、40nmと小型でコストパフォーマンスに優れたST31ファミリーは、金融系のカード、政府のIDカードに加え、電子パスポートも実績が出てきた。国内でも主要なカードベンダーに採用され、将来的な生体認証カードの普及に伴い、さらに成長するとSTでは期待している。

また、組込のセキュリティ・アプリケーション向けに汎用32bitマイコンSTM32を組み合わせたソリューションをM2M、IoT、LPWA向けに提供している。STのグローバルなネットワークを生かし、国内だけはなく、海外事業の拡大をサポートしているそうだ。

ST31がベースの「STPay」、ST33ベースのeSIM
ST21NFCはUWB対応も視野に

個別の製品として、ICカード向けの製品は、セキュア・ハードウェア単体から、包括的な SoC ソリューション(STまたはパートナーによる後工程で、カード・モジュールあるいは各種ディスクリート・パッケージとして組立て)まで提供している。ハードウェアは、金融向けでTypeA/B/FeliCa対応のST31、モバイル・セキュリティ(SIM / eSIM / SE)、M2M および車載用向けのST33がある。共に32bit Armコアと自社製 eFlash 40nm をベースとしている。

ST33J2MOST33G1M2

また、ハードウェアとSoCでは、ST31 をベースに、10 種類以上の認証済み決済方式および交通アプリケーションを持つSTPayを提供しており、今後、生体認証を追加予定だ。さらに、ST33 をべースに、小型 WLCSP パッケージで提供するeSIMがある。GSMA SAS-UP 認定取得工場で製造され、4G / 5G 対応 OS 搭載、世界各地域の MNO との相互運用性を備えている。フォール氏は「日本も含めてワールドワイドのオペレーターとの互換性は問題ございません。eSIMはスマートフォンやタブレットといった通信端末や、PC、ウェアラブルの実績が多いです」と説明する。

STPayTopaz

ST21NFCは、NFCフォーラムの規格に準拠しており、ファームウェアは自社で開発した。また、低消費電力、MoMの削減、高コスト効率アンテナといった特徴がある。「ST54は、ワンチップにNFCとセキュアエレメントを統一化した製品です」(フォール氏)。モバイルFeliCaを含めて広範な認定を取得しており、将来はUWB(ウルトラ・ワイド・バンド)もサポートできるようになる。

ST4SIMは、IoTマーケットに対応した拡張性を備えた。信頼性の高いチップを提供するそうだ。

STSAFEは、コンシューマーデバイス向けにハードウェア製造とセキュア・パーソナライゼーションから顧客の製造環境まで対応する。STM32 マイコンと連携できる設計だ。

製造については、認定取得済みの製造方法を備えた工場が複数あり、IoT / モバイル・セキュリティ・アプリケーション向けの独自セキュア・プロビジョニングを使用した認定取得済みの固有製造フローを採用している。また、ST の後工程または戦略的パートナーによるパッケージングを活用したソリューションの認定および大規模展開も行っているそうだ。

EMVのデュアル決済とFeliCaを初めて提供
1チップ・ソリューションは複数のカード会社に採用

国内市場の状況として、海外では接触型カードから接触・非接触に対応したデュアルインターフェースへの移行が進んでいるが、「いずれは日本でも7割程度を占めるとみています」とフォール氏は話す。

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