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20218/5

店舗でも自動車に乗ったまま支払いできる「ETCX」の強みとは?

2021年8月6日19:00

ETCソリューションズは、2021年4月から、駐車場など高速道路以外の施設でETC技術を活用して料金支払いなどができるサービス「ETCX(イーティーシーエックス)」を展開している。「ETCX」の特徴や目指す世界について話を聞いた。

ETCソリューションズ 取締役 業務企画部長 斎藤正氏

記事のポイント!
①ETC多目的利用サービスを事業展開
②「ネットワーク型ETC技術」を採用した「ETCX」
③加盟店で自動車に乗ったまま支払いが可能
④登録可能なETCカードは3種類
⑤国内の主要なイシュアが利用可能に
⑤「ETCX」に参画する各社の役割
⑥利用者や加盟店の目標は?地域のランドマーク施設への導入を目指す
⑦加盟店の導入形態やコストは?

高速道路以外でもETCカードが使用可能に
現在は三重と静岡でサービス展開

ETCソリューションズは、2020年10月1日に設立。株主には、ソニーペイメントサービス、メイテツコム、沖電気工業、三菱プレシジョンが名を連ねる。同社では、高速道路以外でのETCを活用した決済代行事業、ETCを活用した登録者の運営管理を行っている。

ETCの高速道路以外での決済サービス利用(ETC多目的利用サービス)は、2013年6月14日に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」の中で示されている「駐車場等、高速道路以外の施設でもETC等のITS技術が利用可能となる環境を整備し、利便性向上を図る」という方針に基づき、国交省、道路事業者、有識者などによって慎重に検討されてきた。2017年7月より、民間駐車場等においてネットワーク型ETC技術を活用した決済システムの試行運用を開始し、2019年11月に「ETC多目的利用システムの利用に関する要綱」が定められ、本格展開の準備が整った。ソニーペイメントサービスなどでは、2015年頃から事業化にむけた検討を開始し、駐車場やフェリー乗船場、ファーストフードのドライブスルー店舗などで複数の試行運用を行い、システム面、セキュリティ面、運用面の検証を重ね、実用化に向けた準備を行ってきた。ETCソリューションズ株式会社は、この制度制定を受け、事業化を検討してきた複数社による共同検討プロジェクトメンバーによって、ETC多目的利用サービスを事業展開していく推進主体として設立された会社である。

ETCソリューションズでは、2021年4月29日から、「ネットワーク型ETC技術」を採用した「ETCX」の商用展開を開始。新名神高速道路の鈴鹿パーキングエリア(上り線)のピットストップSUZUKAのドライブスルーで同日から開始し、7月から伊豆中央道・修善寺道路でもサービスを行っている。

ネットワーク型ETCの仕組みで運用

ETC多目的利用サービスの利用シーンとして、駐車場、コインパーク、ガソリンスタンド、ファーストフード、フェリーの乗船の手続きなどが挙げられる。また、電気自動車の充電設備、ごみ処理施設などへの提案も進めている。

情報処理をクラウドで実施
利用には一旦停止が必要に

「ETCX」は、会員登録した人がETCカードを車載器に挿入すると、「ETCX」のロゴマークが掲示してある加盟店で自動車に乗ったまま支払いが可能だ。従来の高速道路のETC処理は、暗号化された情報を復号化し、挿入されたETCのカード番号をネガ情報と突合し、その場で瞬時に通行の可否を判断する仕組みだ。また、レーンごとに情報処理装置がついており、民間で利用すると高額となる。そのため、情報処理装置をセンターに集約し、セキュリティを確保したうえでクラウド処理を行うことにより導入コストを下げている。また、高速道路に設置されているノンストップ型の超高性能型ETCアンテナではなく、一旦停止の運用を前提としたETCアンテナを採用することで、低価格化を実現したという。高速道路は高速処理が可能なためノンストップ走行が基本だが、「ETCX」は必ず一旦停止が必要となる。

「ETCX」の利用には、会員登録サイトでETCカードとクレジットカード番号の紐づけが必要だが、一度登録すれば、すべてのETCX加盟店で利用可能だ。ETCカードの多くはクレジットカード会社が発行しているが、高速道路ではETCカード番号のみのやり取りで売り上げが計上される仕組みだ。「ETCX」のアンテナで読み取るのはETCカード番号だが、それを同社で紐づけするクレジットカード番号に変換してオーソリゼーション(有効性確認)をかけている。クレジットカード業界では、全件オーソリの動きが進む中、ネガチェックを使わずに全件オーソリをかけることで調整を進めた。また、現在発行されているETCカードは高速道路の料金収受に利用するための利用規約となっているが、「ETCX」の規約に別途同意してもらうことで、多目的サービスが利用可能となる。ETCソリューションズ 取締役 業務企画部長 斎藤正氏は「カード会社様とは、繰り返し課題解決に向けた調整をさせていただき、各社のご協力のもと最終的に同意をいただけたことで、スタートにこぎつけることができました」と説明する。

利用イメージ

登録可能なETCカードは3種類
主要なイシュアのクレジットカードを網羅へ

「ETCX」利用者の登録料や年会費は無料。ETC2.0車載器に加え、従来型ETC車載器でも利用できる。会員登録後はマイページで利用履歴が確認可能だ。また、決済の都度、利用確認メールを受けることもできる。

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