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20217/26

欧州の決済トレンド「EPI」について(テュフズードジャパン)

2021年7月27日8:00

テュフズードは全世界に1,000以上の拠点を持つグローバルに活動する企業であり、パートナー企業もまた世界中に拠点を置いている。とりわけ決済関連の事業においては欧州にパートナー企業があり、彼らと緊密に連絡を取りならが各種の協業を行っているのだが、その会話の中で最近よく話題に挙がるのが「EPI」である。このEPI、国内に出回っている情報が限られているため、今回は弊社の長年のパートナー企業でありこのEPIにも関わっているGalitt社(仏)からの情報を元に、EPIについて解説をしてみたい。

記事のポイント!
①「EPI」は16のヨーロッパ金融機関が合同で設立
②2025年の本格運用開始を目指す
③EPIはヨーロッパ内で完結する決済エコシステムを構築へ
④EPIの成り立ちは?
⑤なぜ今EPIなのかという2つの理由
⑥カードとモバイルウォレットの両対応は運用実現のハードルに
⑦EPIの今後は?

・EPIとは

EPI (European Payment Initiative)とは、VisaやMastercardといった既存の国際決済ネットワークからの独立構想を元に、2020年に16のヨーロッパ金融機関が合同で設立した団体。ヨーロッパ域内でどこでも使えるヨーロッパの独立した決済ネットワークとして、域内での新しい決済スタンダードとなることを目標としている。

・EPIの現在地

EPIは現在、2022年の運用開始と2025年の本格運用を目指している。店舗決済、オンライン決済、個人間決済、現金引出しといった、元々異なるカテゴリとしてそれぞれ進歩してきた機能を1つに統合し、プロダクトとしてまずカードとモバイルウォレットでのローンチが予定されている。

技術面においてはネットワークを既存のSCT Inst(SEPA Instant Credit Transfer)と呼ばれるユーロ圏の即時送金スキームを活用して構築し、カードと読取端末においてCPACE仕様の実装がアナウンスされている。CPACE仕様とは、2020年11月にヨーロッパ地域内の複数の主要カードスキーム等によって設立されたECPC(European Card Payment Cooperation)が策定するEMV CPA仕様をベースにした新しい仕様だ。このようにEPIはヨーロッパ内で完結する決済エコシステムを構築しようとする動きが特徴である。

EPIプロジェクトは現時点ではブリュッセルに本部を置くEPI Interim Companyが暫定的に運営しているが、今後の恒久的なガバナンス体制について現在検討と準備が進められている。

・EPIの成り立ち

この「ヨーロッパの独立した決済ネットワーク」という構想自体は特段新しいものではなく、2010年にはMonnetと呼ばれるヨーロッパの独自カードネットワーク構想のプロジェクトが存在した。当時は既存のネットワークに代える存在を構築するメリットがあまり見られなかったため、このプロジェクト自体は失敗となったが、2019年にふたたび20の欧州系銀行が集まりPEPSI (Pan European Payment System Initiative)という名称のプロジェクトが立ち上がり、これがのちにEPIに名称が変更された。

・なぜ今EPIなのか

今回EPIとして、欧州委員会と欧州中央銀行のサポートの下で動きだしているのには2つの理由が挙げられる。

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